戊辰戦争と相馬野馬追

 今日も戊辰戦争ネタ。浜通りの伝統行事と言えば、真っ先に浮かぶのは相馬

野馬追。騎馬武者が戦国絵馬を繰り広げる国の重要無形文化財で、1000年

以上の歴史を誇っている。その会場が原発20km圏内に引っかかったため、震

災の年は規模を縮小したが、それでも伝統の灯は絶やさなかった。いまではす

っかり元の姿を取り戻し、多くの観光客が訪れる。

 この伝統行事で最大の見どころとされている神旗争奪戦。花火とともに打ち

上げられた旗を奪い合い、それを手にした騎馬武者が坂道を一気に駆け上がる

場面だ。私がそれを観戦したのはもう13年も前だが、その日はとんでもない

猛暑。救急車のサイレンが鳴り響く中で、このシーンを見た記憶がある。いち

ばん盛り上がるのだが、これと戊辰戦争が関係あるとは朝日の記事を読むまで

知らなかった。

 野馬追が武士の行事であることは当然だが、もともとは野馬を追い捕らえて

神社に奉納するもの。ところが、相馬地方を治めていた中村藩が戊辰戦争に巻

き込まれた。結局、中村藩の降伏で浜通りの戦いは終結。その後は相馬家の行

事として簡単な形式で行われていた。明治の世になって武士以外の人も参加で

きるようになったが、当時は農耕馬が貴重な存在。それで野馬を追う形が変化

して、神旗争奪戦に代わったのだという。もし戊辰戦争がなかったら、現在の

行事は違う形だったのかもしれない。それでも伝統を引き継ぐ人々の熱い思い

は変わっていなかっただろう。